文章初心者はまずはツイッターから?
何か「書いてみたい」と思い立った文章初心者に対して「ツイッターから始めると良いよ」というオススメがされることがあります。
例えば、竹村駿助氏の「書くのはしんどい」の本の中でも「書くことを習慣化するコツ」としてツイッターが勧められています。
本などの長文を書くのが「フルマラソン」だとすれば、noteやブログなどのやや長い文章 は「ジョギング」。ツイッターのような短文は「散歩」です。
竹村 俊助. 書くのがしんどい (Kindle の位置No.1982-1984). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.[1]「書くのがしんどい」自体はとても良い本で文章初心者にオススメの一冊です。https://www.amazon.co.jp/dp/4569847161/
江草自身も文章初心者なので、そのススメに従ってツイッターを頑張ろうとしてみたのですが、これが案外難しかったのです。むしろ、同時並行的に進めていたブログの方がしっくり来てしまいました。
考えてみたところ、人による部分はもちろんありますが、初心者にはツイッターよりもブログの方が向いてるのではないかと感じたので、その理由について紹介してみます。
これから文章を書き始めたいなと思っている方の参考になれば幸いです。
ツイッターが意外と難しい理由
まずツイッターが難しい理由です。
❌短文にまとめるのは高等技術
ツイッターの特徴である140文字という字数制限。短文で気楽にできることにより確かに書き始めることへの敷居は低いです。しかし、字数制限は反面「まとめるのが難しい」というデメリットも発生させます。
ツイッターをしたことがある方は誰しも経験があると思いますが、140文字で言いたいことを不足なく書くのはかなり難しいです。ほとんど「結論言い切り」に近くなってしまい、主張の根拠まで十分に示せないことは少なくないです。
「5-7-5」の17文字だから俳句や川柳は簡単だとは誰も言いませんよね。それと同じで、ツイッターも「140文字」という制限から「入るのは易く、出るのは難し」。短文にまとめるという文章の高等技術にいきなり出くわしてしまうことから、ツイッターは初心者には敷居が高いと感じます。
ツイッターにはスレッド機能を用いて、連続したツイートとして投稿することも可能です。ただ、それでも「140文字」の単位で投稿しなくてはいけないのは変わりなく、ところどころ不自然にまとめた文章になったり、変な余白ができたりします。
ツイッターの字数制限に縛られて自由に文章が書けないのはあまり初心者向とは言えないでしょう。
❌炎上しやすい
それとツイッターは炎上しやすいこともデメリットです。
ツイッターの炎上しやすい構造として、パッとツイート内容が目に入って、すぐに感情を想起させられること、即座に返信や引用リツイートなどの反応が起こせることがあります。つまり、ぱっとムカつくツイートが目に入った時、その怒りの感情のまますぐさま批判コメントを載せてリツイートができるわけです。
また、140文字という制限から、十分な根拠の説明の記述や注意書きがしにくいことも、炎上のしやすさにつながっています。スレッドで後の方のツイッターで「ただし、○○という意図ではありません」などと注意書きを書いていても、冒頭の強い結論のところだけ独り歩きして炎上することはしばしばみられます。
ツイッターは非常に可燃性が高い仕組みになっています。あまりに炎上のしやすい仕組みなので、時にフォロワーが少ない駆け出しの方でも大きな炎上を引き起こしている場合もあります。
最初のうちから炎上におびえて書き始めるのもよくないと思いますし、特に根拠の説明が不足しがちな文章初心者向きではないかなと思います。
ブログが初心者向きな理由
一方、ブログが文章初心者向きである理由は3つあります。
✅字数制限がない
ブログが初心者向きである理由の1つは、ツイッターと逆で、字数制限がないことです。
書きたい内容に合わせて、短い文章でもいいし、長い文章でもいいし、その時の気分で文字数を気にせず書けるのは文章の練習としてはうってつけでしょう。
ツイッターのように140文字単位で文章のブロックを構成する必要もありません。
✅人が来ない(笑)
ブログが初心者向きである理由の2つ目は、「人が来ない」ことです(笑)。
悲しい話ではありますが、ブログの開設当初は本当に人が来ません。寂しいことのように思えますが、一応は「公開」しつつもあまり人目を気にしないでいいのですから、文章初心者の練習にふさわしい環境です。
まずはマイペースで文章を試行錯誤しながら書くことができるのはブログの大きなメリットでしょう。
✅炎上しにくい
ブログが初心者向きである理由の3つ目はブログはツイッターに比べると炎上しにくいことがあります。
ツイッターと違ってブログでは、文章のリンクをクリックしないと読めないですし、文章のリンクを紐付けながらでないと記事の内容にコメントをつけて反応できません。
そんなに難しい作業ではないものの、本当に即座に読めて瞬時に反応できるツイッターと違って、この手間の有無が炎上に与える影響は大きいです。アンガーマネジメントでも「ムカっとした対象に反応するまでに6秒間待てば怒りが落ち着く」というテクニックがあります。ちょっとめんどくさいだけで怒りに任せた感情的な反応というのは抑えられるものなのです。
ブログの難しい点
ただし、ブログの難しい点もあります。
❌タイトルをつけないといけない
ブログの難点の1つは、記事のタイトルをつけないといけないことです。
さきほど「短文にまとめるのは高等技術」という話をしました。でも、実はブログ記事の内容を「タイトル」という一文にまとめるのも、同じく「短文にまとめる」作業なので、けっこう難しいのです。
ブログではタイトルをつけることは不可欠なので、初心者としてはこれがハードルになりえます。
ただ、ツイッターはコンテンツの「内容」そのものが短文なのに対し、ブログではタイトルというコンテンツの「外見」が短文なだけで、コンテンツの「内容」までは短文という違いがあります。
文章の練習という意味では、まずはコンテンツの「内容」が練習できるブログの方に軍配があがるのではないでしょうか。
❌画像を少しは入れないと寂しい感じになる
またブログの難点のもう一つは、画像を少しは入れないと寂しい感じになることです。
ツイッターも画像をつけた投稿は多いですが、一応は短文での投稿がメインなので、文章だけの投稿も市民権を得ています。
ただ、ブログはある程度の長文になると、文章だけだとどうしても寂しい感じになってしまいます。書籍と違って、ブラウザで読む上では何らかの視覚効果があった方が良いということでしょう。
画像が不可欠というわけではないのですが、自分で自分のブログ記事を読み直す場合でも、その寂しさが気になってしまいがちです。
江草も画像を挿入するのは苦手な方なので、江草の記事は文章ばかり長くなって華やかさがないのですが、自分で見てもちょっと淡白すぎるかなと課題には感じています。
画像を探して用意することに気を取られると、文章初心者としては文章に集中しにくくなるので、難点の1つではあるでしょう。
まとめ
ツイッターが良いか、ブログが良いか。
もちろん人によると思いますし、ツイッターも本当に「書き始める」だけなら敷居が低くて良いと思います。ただ、「文章の練習」という目的で考えると、140文字の制限にとらわれて、ついつい「ツイートの練習」になりがちなツイッターはあまりオススメできないように思います。
以上、文章初心者にはツイッターよりもブログが向いているのではないかと感じた理由を紹介しました。参考になればうれしいです。
脚注
↑1 | 「書くのがしんどい」自体はとても良い本で文章初心者にオススメの一冊です。https://www.amazon.co.jp/dp/4569847161/ |
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