なぜ人は運転中にイラッとしてしまうのか

生活

皆さん運転中にイラッとしませんか

皆さん運転中、イラッとすることありませんか?

・速度出しすぎなワゴン車。

・スマホしながらフラフラ走る自転車。

・急に飛び出す歩行者。

などなど、なかなかどうしてこちらの堪忍袋の限界にチャレンジしてくる輩は少なくありません

よく「運転中は人が変わる」などとも言われますし、どうやら、私たちには運転中にイラッとする傾向があるようです。

でも、なぜ人は運転中についイラッとしてしまうのでしょうか。

 

公道は「自分ルール」がぶつかるところ

江草の考えた答えは公道が「自分ルール」がぶつかる場所だからというものです。

ここで言う「自分ルール」とは、「こういう時はこうなるもの、こうなるべき」という、自分の中の期待や当たり前と思う感覚のことです。

その自分ルールにそぐわない動きをする他者を見ると、「自分の当たり前」「こうであるべき」という感覚が急に崩されてイラッとするわけです。

 

「自分ルール」がぶつかる場所の特徴4つ

江草の考える「自分ルール」がぶつかりやすい場所の特徴は4つあります。公道はいずれも満たしているので、「自分ルール」がぶつかってイラッとしやすい場所になってしまうのだと思います。

ルールを守らないことによる悪い結果が重大

1つ目の特徴は、ルールを守らないことによる悪い結果が重大であることです。つまり、ルールの重要性が高い場所ということです。

言わずもがな、公道では交通ルールを守って皆が秩序よく動かないと、死亡事故など重大な悪い結果につながります。

ルールを守らなかったとしても被害が少ない場所であれば、笑い話で済みますが、公道のように重大な影響力がある場所においては、自然とルールの扱いに皆が神経質になります

大事だと思っているからこそ、破られると当然イラッとしやすいわけです。

ルールを皆で共有・維持する機会が乏しい

2つ目の特徴は、ルールを皆で共有・維持する機会が乏しいことです。

非常に大事な大事な交通ルールにもかかわらず、なんとなく小さい頃に教わったり、運転免許を取る時に勉強することがあるぐらいで、案外ルールを再確認する機会は少ないものです。必ずしも学習時に細かい具体的な場面まで網羅されてるわけではないですし、免許取得後は勉強する機会やインセンティブがほとんどありません[1]免許の更新で交通安全ビデオを見るぐらいしか機会がない人は多いのではないでしょうか

つまり、ルールを皆で再確認して、細かいところまで詰めて共有する機会はほぼないのです。

すると、他人の「自分ルール」と比較する場面がないので、「自分ルール」がいつのまにか独自進化していても気づけません。

それぞれのルールが独自進化していくと、それぞれの思ってるルールの違いが大きくなっていき、公道での動きの呼吸が合わない場面が増えるわけです。

ルールと違う動きをする人が多いなら、当然イラッとしやすいわけです。

誰と遭遇するかわからない

3つ目の特徴は、公道では誰と遭遇するかわからないことです。

いくらルールの認識に個人差があったとしても、前もって誰とすれ違うかわかっていれば対策することはできるかもしれません。しかし、公道は偶然のすれ違いの宝庫なので、事前に誰と遭遇するかが分かりません。

なので、いったい誰なのかはおろか、どれぐらいの知識を持ってる人か、どんな性格の人なのか、その瞬間になるまで分かりません。いえ、必ずしも顔が見えるわけでもないので、その瞬間になっても誰なのか全く分からないかもしれません。

職場や家庭のような限定的なコミュニティであれば、ある程度似た人物で集まりやすいので、多少の個性の差はあれど、比較的動きの予想はしやすいのです。しかし、公道はあらゆる人が通る道なので、自分たちのルールや予想が通用しないケースが多くなります。

言わば、公道は異文化コミュニケーションの場所なのです。

全く予想できない相手と出たとこ勝負でいくのなら、当然イラッとしやすいわけです。

事前に打ち合わせはもちろん、事後に振り返りもできない

4つ目の特徴は、事前に打ち合わせはもちろん、事後に振り返りもできないことです。

その時まで相手が誰なのかさえ分からないのですから、事前の打ち合わせはもちろんできません。

ですので、一発勝負で事前相談無しに各自の行動がとられます。上手く呼吸が合った時は快くすみますが、そうでなかったときに「(自分はちゃんと自分ルールを守ったのに)あいつめ、ちゃんとしろよ!」となりがちです。

しかも困ったことに、事故にでもならない限り、そのまま声を交わすことなくお互いの道に別れて去っていくことになりますので、事後の振り返りもありません

本当のところ、相手がどう考えてそういう動きをしたのかわからないまま終わります。

相手にも自分が気づいてなかった事情があったり、考えがあったりするかもしれないのに、残念ながらそれを確認することはできないのです。

本来ヒヤッとした場面というのは反省材料の宝庫なのですが、お互いに自分ルールを見直す機会もないので、どんどんみんなの「自分ルール」がバラバラになってしまうのです。

ネット上でも皆がイラッとしがちなわけ

こうした「自分ルール」が共有できず独自進化してお互い譲れなくなるような特徴が相集まって、人は運転中にイラッとしやすいのだと思われます[2]なお自動車の運転中は特に個室感もあるので感情をむき出しにしやすい可能性があります

特に、大事故になるまでお互いの「行動」や「ルール」を反省することはできないというのは大変恐ろしいことですから、皆ほんと気をつけないといけないと思います

 

ちなみに、これらの特徴を持つ場所であれば、公道でなくてもイラッとしやすい可能性がありますね。

例えば、ネット社会もこうした特徴をもってる気がします。

ネット上では頻繁に炎上や激しい罵り合いが起きますが、お互いに「自分ルール」を振りかざした衝突であることは少なくありません。

ネット社会も、それぞれの「自分ルール」を比較検証して共有する機会がないままに、皆が勝手にそれぞれのリアル社会で培った「自分ルール」を持ち込むので衝突しやすいのだと考えられます。

ネットにおいては、運転中に比べれば事前事後のコミュニケーションが取りやすいのですから、せめて衝突があった時には、一度立ち止まってお互いに振り返る機会を設けられたら良いのになと常々感じます。

 

以上です。ご清読ありがとうございました。

脚注

脚注
1 免許の更新で交通安全ビデオを見るぐらいしか機会がない人は多いのではないでしょうか
2 なお自動車の運転中は特に個室感もあるので感情をむき出しにしやすい可能性があります

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