浪人より留年の評価が低いのはなぜか

本に乗る女性のイラスト教育

おはようこんにちはこんばんは、江草です。

今日は、「浪人より留年の評価が低いのはなぜか」を軽く考察してみます。

 

浪人はOKで、留年はダメな理由

とあるツイートをたまたま拝見しまして。

人事担当でもなんでもないのですが、「浪人と留年の扱いの差」は私たちの社会の興味深い側面を表してる現象の一つだと思いますので、勝手ながら江草の私見を述べてみます。

 

頻度や難易度の違い

留年と浪人の違いとして、まず考えられるのは「頻度や難易度の違い」でしょう。 

大学受験を含めると、一般的に、世の中「留年してる人」よりも、「浪人してる人」の方が多くみかけられます[1]江草は手を抜いて、実数までは確認してないですが、体感的には皆同様に感じているのではないでしょうか

 

チャレンジ感のある入試

入試は倍率が高いことが少なくありませんし、受験生が実力よりも少し上の学校にチャレンジすることは社会的には容認されています。

「浪人」というワードは、そうした大学受験におけるイメージから、「落ちて浪人生になってしまうこともありえるだろう」と多くの人にとって自然と親しみがある概念なのだと思います。

なので、「浪人」と聞いただけではその人の能力までは疑わないという空気感が世の中にはあります[2]これが「多浪」になると急に心証が悪化しますが

 

実力相応の場からの落第感がある留年

一方で、留年については、逆に、する人が少ない(と感じられている)行為なので、異端な香りを帯びています。

格上にチャレンジするという積極的なイメージの受験と異なり、留年は入学後の「落第」なので、「入学できてるということは、ここで学ぶに相応しい実力があったはずなのに落第した」という悪印象が起きやすいわけです。

格上へのチャレンジでもない、実力相応の場で留年なんてする人は問題(能力不足)があるのだろうと、即座に負の印象を呼び起こされてしまうのです。

 

留年回避は長期的忍耐力と従順さの印

ただ、実を言うと、もともとのツイートの方は留年医学生ということで、想定してるのは大学入試の場面ではないようなんですね。

そうすると、浪人というのは、すなわち国家試験浪人のことですから、大学入試を想定した話に比べると、あながち浪人の方が留年よりも多いとも言い難いですし、格上へのチャレンジとも言い難いわけです。

なので、国試浪人と医学生留年の違いについては、上で言う、大学入試のイメージで語られた「能力的な違い」の要素は当てはまりにくいはずです。

なのに、それでもなお、浪人と留年の扱いの差があるのはどういうことでしょう。

 

それは、留年しないということは「長期的忍耐力と従順さの印」だからです。

すなわち「人柄の一定の傾向の保証」と言えます。

 

国家試験は一発勝負

国家試験は要は一発勝負のペーパーテストなので、人柄が直接的には影響しにくい試験です。

一発勝負ですと、たまたま体調が悪いことや、運が悪すぎたりで、真面目で人柄がよくても落ちることはありえなくはないだろうと、大目に見ることは一応可能なわけです。

 

留年回避は長期戦

しかし、留年の方は、在学中の6年間におよぶ長期戦における指標で、一発勝負の国家試験とは対照的です。

進級の要件にはペーパーテストももちろん含まれていますが、出席や提出物もからんでくるので、マメさや忍耐力、従順さの影響が強く入ってきます。

 

そもそも、就職採用でどういう人材が欲しいかといえば、仕事というのは長期戦かつ、職員同士の協力が不可欠な団体戦なので、それに対応できる能力を有してるかをまず見たいわけです。

なので、留年する人は「ペーパーテストができないとは限らないが人柄に問題(怠惰であったり反抗的な態度)がある可能性がある」と疑われ、避けられやすいということになります。

 

案外、「能力」でなく「従順さ」で測られてる私たち

学校や大学での実績は、「知識」や「能力」こそ問われてると思われがちですが、案外「無難にこなせる忍耐力や従順さ」の方が評価されてるということには注意が必要です。

 

学校や大学での学びやスキルの獲得の有無こそが、採用側にとって真に大事なのであれば、たとえその採用志望者がなぜか卒業直前に突然中退していたとしても、その人の能力はほとんど完成しているはずなので、就職活動にほとんど悪影響はないはずです。

しかし、実際には採用側は「ちゃんと卒業したのかどうか」「間違いなく卒業証書を手にしたのかどうか」を重視します。

つまり、そういった既定のルールや慣習に「従順であること」が、企業や病院といった採用組織側には大事なのです。

おそらくは、能力が多少低い者よりも、組織内の和や体制を乱される方が恐いのでしょう。

それはまあ、確かに分からないでもない気持ちなのですが。

 

 

と、このように、「浪人」と「留年」の扱いの差には、「従順さ」という隠れパラメータが意外と大事、という社会の側面が表れてるわけなんです。

ね、なかなかおもしろいでしょう。

 

以上です。ご清読ありがとうございました。

脚注

脚注
1 江草は手を抜いて、実数までは確認してないですが、体感的には皆同様に感じているのではないでしょうか
2 これが「多浪」になると急に心証が悪化しますが

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