あえて「逆ポジショントーク」をしよう

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おはようこんにちはこんばんは、江草です。

今日は「逆ポジショントーク」をすることの大切さについてちょっと語ってみます。

「ポジショントーク」の危険性

「ポジショントーク」とは

まず「ポジショントーク」について。

自分の職業や立場に有利なように、都合のいい論を主張することですね。

自分の業界だけ美味しい思いをするだけで社会など全体の利益を損なう主張になることが多く、あまり推奨されないものです。

例えば、放射線科の偉い先生が「放射線科は大事なので人を増やすべき」と言ったとしても、放射線科業界が人を増やしたいだけかもしれません。放射線科はうれしくても、社会にとってはたいしてうれしくないという可能性があります。

なので、「ポジショントーク」になってしまいがちな主張をする時は、「私たちだけでなく他にも利益があるんだよ」ということをとても丁寧に論証しないといけません。

「ポジショントーク」の罠

ただ、自分の立場に有利な主張を唱える時、誰しも完璧な存在ではないですから、いくら気をつけていても無意識的に自分の都合のいい主張になりやすいのは否めません。

特に自分の業界に深く関連しているテーマについての議論の場面では、当然内部の人の方が外部の人よりも業界内の事情に詳しいので、内部の人間が全力で「ポジショントーク」をすると、外部の人から対抗して批判するのは難しくなりがちです。

あえて「逆ポジショントーク」をしよう

そこで、大事になるのがあえて「逆ポジショントーク」をすることです。

「逆ポジショントーク」とは

「逆ポジショントーク」は江草が勝手に思いついた概念ですが、自分の業界や立場に都合が悪いことを主張することを指しています。きれいに言い換えれば「自己批判」、乱暴に言えば「内部告発」になります。

黙っていた方が自分の立場上は得なんだけれども、あえて「逆ポジショントーク」をして自分の業界の悪いところを見直す、なんなら業界自体の抜本的な改革を提言するわけです。

「逆ポジショントーク」の必要性

業界の根本な見直しは、先程も述べたとおり、事情がなかなか把握できない外部の人々には難しいものです。

しかし、それで「ポジショントーク」ばかり行っていては、業界の利益ばかり優先されて、業界外の人々が代わりに犠牲になりえます。

だからこそ、事情に詳しい内部の人間が時折意識的に業界を見直す「逆ポジショントーク」が求められるのです。

軽視されてる「ポジション的利益相反」

よく学会発表などで「利益相反」の有無が明示されますが、あれで言われている「利益」というのは「直接的な金銭的利益」しか指していません。もっと根源的な存在である「その業界に属している」という「ポジション利益」についての「利益相反」が問題視されていないのが実情です。

例えば、医局の長たる大学教授が「臨床研修制度で医局離れが起き医療崩壊が進んだ」と述べたとして、確かに「金銭的利益としての利益相反」はないかもしれませんが、「ポジション利益としての利益相反」が存在するのは明らかでしょう。

分かりやすい「金銭的利益」よりも、もっと奥底に秘められている分、「ポジション利益」の方がたちが悪いと言えます。

まとめ

無意識的に「ポジショントーク」をしてしまうのは仕方がないことです。だからこそ、その分意識的に「逆ポジショントーク」を行うようにするべきですし、ついちょっとムッとはするかもしれませんが業界内の他の人間もそうした耳の痛い指摘は歓迎するべきではないでしょうか。

つきましては、江草ももちろん「逆ポジショントーク」を意識的にしていく所存です。

以上です。ご清読ありがとうございました。

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