「note」「はてなブログ」から「WordPress」へ
思い立って、個人ブログの本拠地を「note[1]https://note.com/exaray」や「はてなブログ[2]https://doctors-doctor.hatenablog.com/」から「WordPress」にしてみました。
江草がブログに求めることは、考えたことをまとめる場所です。書きやすく、見やすく、続けやすい、ちょうど良いサービスを求めて、もともとお試しのつもりで少しずつ「note」「はてなブログ」で書いていました。
どちらも良いサービスであるのは間違いないのですが、いくつか満足いかない点もありました。本拠地設定を悩みながら2箇所に適当に分けながら書いているのもどっちつかずになり良くないと思い、思い切ってレンタルサーバーを借りて「WordPress」でブログを始めることに。
これからブログを始めたいけど、どのサービスがいいか悩んでる方の参考に、江草が感じた「note」と「はてなブログ」の良い点、悪い点をご紹介したいと思います。
「note」の良い点
「note」とは
ご存知でない方のために、まず紹介しておきますと、「note」はnote社が運営する「クリエイターが文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォーム」です[3]https://note.com/info/n/nea1b96233fbf。
最近バズっている記事でもnoteを見かける頻度が上がってきており、今、すごく勢いがあるサービスです。
正確にはブログサービスではないのですが、文章を書くために使っている方は多く、江草のように考えたことを書くために使いたい方にとっては有力な候補でしょう。
江草が感じた「note」の良い点を大きく4つほどご紹介します。
✅簡単
「note」の良い点の1つ目は、とりあえず書き始めるのにはとても簡単なことです。
記事執筆画面もシンプルかつ直感的に分かるようになっており、noteを始めるぞと思い立ったら、その気になればnoteアカウントを作成して小一時間もしないうちに記事を書くことができると思います。
✅キレイ
「note」の良い点の2つ目は、記事の見た目も何も考えずとも最初から整っておりすごく読みやすいことです。
確かに派手さはないですが、シンプルな美しさがあります。スマホで読んでも見やすいですし、デザイン等々を悩まされず、執筆に集中できる設計は素晴らしいですね。
✅活気がある
「note」の良い点の3つ目は活気があることです。
人口が多いためかコミュニティは熱いです。江草もあまり記事を投稿してなかったにもかかわらず、通りすがりで「スキ[4]他サービスの「いいね!」にあたります」を押してくれる方はまあまあ多かった印象です。
他の方の記事を「この記事を読んでみてはどうですか」とオススメしてくれる、リコメンデーション機能も押し付けがましくなく、ちょうどよかったです。
コメント欄の雰囲気も良いので、殺伐としがちなネット社会において、良質なコミュニティが築かれていることはすごく貴重なように思います。
✅マネタイズ可能
「note」の良い点の4つ目はマネタイズができることです。
「note」ではコンテンツ課金をするためのシステムが用意されており、その気になれば記事を課金することも可能です。はてなブログでも外部サービスを使用すれば課金可能なようですが、公式で課金システムが用意されてる点は安心でしょう。
別にお金稼ぎ目的にブログを書こうと思ってる方でなくても、もし将来気が変わって課金したくなったとしても簡単に実行可能なわけですから、良いことには違いがないですよね。
「note」の悪い点
では逆に「note」の悪い点を4つ紹介します。
❌記事のエクスポート機能がない
「note」の悪い点の1つ目は記事のエクスポート機能がないことです。
エクスポートとは、記事のデータを「note」のサービスの外、自分のパソコンの中や他のサービスに持ち出すことです。これが「note」ではできません。
数記事程度なら頑張ってコピペして無理やり手動で持ち出せなくも無いですが、何百記事と書き溜めた人にとっては大事です。急に「note」のサービスのトラブルがあったり、アカウントがなぜかハプニングで失ってしまった時など、頑張って書いてきた自分の記事を全て失ってしまうリスクがあります。
このエクスポート機能が無い点は、もちろん不評で、早急な導入を切望されています[5]エクスポート問題についてはこの、ほりまさたけ氏の記事「noteからコンテンツをエクスポートする方法がないというリスク」が詳しいです。。
江草としても書き溜めたデータを自分で保有することができないのは不満で、書き続けるモチベーションを減じる大きな要因でした。
❌デザインが変えられない
「note」の悪い点の2つ目は、デザインが変えられないことです。
これは「シンプルで簡単に始められる」という良い点の裏返しでもあります。確かに、シンプルでキレイなデザインではあるのですが、それを個人の好みで変更することができません。
なので、どうしても他の方のページと似通ってしまい、記事の見た目の個性を出したい方には辛いサービスとなっています。
小見出しのデザインなど、ちょっとしたことも変えられないので、カスタマイズ性を求める方には厳しいものがあります。
❌脚注がつけられない
「note」の悪い点の3つ目は、脚注がつけられないことです。
この記事でも既にいくらか使用していますが、補足説明を記事の末尾にもっていく機能ですね[6]これが脚注です。
脚注が必要かどうかは、個人の好みや、どういう文章を書くつもりかによります。江草の場合は、わりと長文の多少ややこしい考察記事を書くことが多かったですので、参考資料や補足説明の提示のために脚注がほしい場面が多々あり、脚注がつけられない「note」では不便を感じました。
❌IPアドレス漏洩騒動の対応の怪しさ
「note」の悪い点の4つ目は、IPアドレス漏洩騒動の対応の怪しさです。
今年の2020年の8月に「note」の記事のデータ上で執筆者のものと思われるIPアドレスが誰でも見られる状態になっていたことが発覚し、一騒動になりました。
こうした大きな問題点が見落とされていたことはもちろん不満ではありますが、世の中誰でもミスはあるものなので仕方ない面もあります。
ただ、この問題に対する「note」公式の発表が全体的に責任逃れや誤魔化しを思わせる曖昧な態度に終始しており、不信感を持った方は少なくなかったようです[7]例えばオオスキトモコ氏の「なぜ私はnoteをやめたのか IPアドレス流出「3つの不誠実」」が分かりやすいです。
公式の対応が怪しいとなると、さきほどのエクスポート機能が無い点も合わせると、今後何か大きなトラブルが合った場合に、真摯に対応してもらえるのか、自分の記事たちが救えるのか、不安にならざるを得ない事件でした。
「はてなブログ」の良い点
「はてなブログ」とは
では次に「はてなブログ」の良い点と悪い点ですが、まずは「はてなブログ」の簡単な紹介を。
「はてなブログ」は株式会社はてなが運営するブログサービスです。前サービスにあたる「はてなダイアリー」から合わせると17年以上も人気のあるサービスとして君臨しており、ベテランの実力派を感じさせます。
「はてなブログ」の良い点は3つほど挙げておきます。
✅簡単なのにカスタマイズ性も高い
「はてなブログ」の良い点の1つ目は、簡単なのにカスタマイズ性も高いことです。
「はてなブログ」ではブログテーマが豊富に用意されており、気に入ったデザインでブログをカスタマイズすることができます。「note」はデザインを変えることはできないので、ブログの見た目にもこだわりたい、個性を出したい方には「note」よりも「はてなブログ」向きでしょう。
用意されているテーマを選ぶだけなので、変更も簡単です。
✅脚注もMarkdown記法も対応という執筆機能の豊富さ
「はてなブログ」の良い点の2つ目は、執筆機能の豊富さです。
「note」にはなかった脚注機能も「はてなブログ」では標準装備です。江草も「はてなブログ」の記事では多用していました。
簡単な記述で文章の見出しや強調ができるMarkdown記法にも対応、各種SNSのカードの貼り付けも豊富だったりと、執筆機能の豊富さは「note」を圧倒してます。
✅記事のエクスポート可能
「はてなブログ」の良い点の3つ目は、記事のエクスポートが可能であることです。
「note」の最大の欠点の一つでもあるエクスポート機能が「はてなブログ」ではデフォルトで備わっています。これは記事を書いて残していきたい者としては、すごくうれしいところです。
「はてなブログ」ではエクスポートどころか製本するサービス(ただし有料)との連携まであり、リアルワールドでさえ手元に残すことができます。すごいですね。
「はてなブログ」の悪い点
では、「はてなブログ」の悪い点を4つほど紹介します。
❌カスタマイズや設定は少し頑張る必要あり
「はてなブログ」の悪い点の1つ目は、カスタマイズや設定を少し頑張る必要があることです。
「はてなブログ」の強みであるカスタマイズは簡単と言えば簡単ではありますが、「note」ほど割り切った設定ではないので、やはり少しは頑張らないといけません。テーマを選ぶだけと言っても、大量にテーマがあるので、目移りしてしまいます。良いかなと思って書いてみても、スマホで見ると読みにくかったりとか、細かいところでけっこう悩みます。
管理者設定も色々とできる分、設定画面も少し複雑で、「note」ほどすぐに始められるというほどではないですね。
❌課金しないと広告や謎のキーワードリンクがつく
「はてなブログ」の悪い点の2つ目は、課金しないと広告や謎のキーワードリンクがつくことです。
基本無料でできる「はてなブログ」ですが、課金していないと見栄え上のデメリットが付きます。広告は仕方ない気もしますが、独特のキーワードリンクがなんとも気になります。wikipediaのように各キーワードのページへのリンクが自動で付きます。あまり目立たないものではあるのですが、やっぱり見えるには見えるのと、著者の意図と関係なく付くので不思議な気持ち悪さがあります。
これらを消すには課金しないとならないのですが、月額1000円程度(長期契約割引あり)と、料金はまあまあ高いです。
せっかくカスタマイズで納得のいくブログデザインにしたと思ったら、広告やキーワードリンクが目障りでつい課金したくなるという罠ですね。
❌人が来ない
「はてなブログ」の悪い点の3つ目は、人が来ないことです。
「note」では自然と通りすがりの人がやってきた印象でしたが、「はてなブログ」は本当に人が来ない時は来ませんでした。勢いのある「note」のコミュニティと違い、成熟した「はてなブログ」のコミュニティは少し落ち着いてしまってるのかもしれません。
もちろん長く良質な記事を書き続けていたら違うのでしょうが、最初のうちは「twitter」や「はてなブックマーク」などのSNS系から呼び込まないと、全然人が来ない印象があります。
❌はてなID縛りのややこしさ
「はてなブログ」の悪い点の4つ目は、はてなID縛りのややこしさです。
「はてな」サービスを使うための「はてなID」は1人1ID制です。もし複数のIDを作成していた場合は、規約違反となりアカウントを消されても文句は言えません。
多くの方にとってこれは問題にならないのですが、既に「はてなID」を取って活動をしている人にとっては面倒にもなりえます。かくいう江草も過去に既に「はてなID」を取得していて使っていたので、改めて江草としてブログを立ち上げようとしたときに困りました。
実際には「はてなID」には「サブアカウント」という制度があって、アカウント同士を「同一人物ですよ」と申告することで、複数のIDを取得することは可能です。ただ、メインアカウントに対してサブアカウントが下に付くという仕組みになっていて、課金やアカウントの切り替えをしようとする時に、なかなか複雑なことになります[8]このでょお氏の「【はてなブログ】サブアカウントについて|デメリットはPRO引き継ぎとアプリがダメ」の記事が分かりやすかったです。
これから新たに「はてなブログ」を始めようとしている方も、将来気が変わって新たなIDで別のブログを立ち上げたくなるかもしれません。そうした時に、この「はてなID」縛りのややこしさはネックです。
複数アカウントを用いてのブログのサクラ行為を防ぐためには仕方がない制度ではあるのでしょうが、もう少し柔軟さや利便性が欲しいところです。
「WordPress」に飛び込んでもいいと思えた理由
このように「note」も「はてなブログ」もそれぞれ良い点や悪い点があります。
江草としてもいずれはちゃんと長く続けられるところ1つに絞りたかったので、大変悩みました。
悩んだ結果、「note」でも「はてなブログ」でもなく「WordPress」に飛び込むことにしました。
「WordPress」は、ブログから高機能なサイトまで作ることができるオープンソースのソフトウェアです[9]https://ja.wordpress.org/より。
「WordPress」は有料でレンタルサーバーを借りないといけないですし、設定も大変で、セキュリティ管理もある程度自分でしないといけません。
しかしそれでも「WordPress」に飛び込んでもいいと思えた理由は3つあります。
✅ブログ界のデファクトスタンダード
世界のwebサイトの内、約35%が「WordPress」で作成されてるそうです[10]https://webst8.com/blog/wordpress-cms-share/。圧倒的なシェアですね。肩を並べる者のいないブログ界のデファクトスタンダードと言えるでしょう。
それだけ用いられているブログサービスです。一度は使って使い方を学んでおくのは悪くないと江草は感じました。このIT時代、何かまたwebサイトを立ち上げたくなる可能性は十分にあるでしょう。
カスタマイズ性もぶっちぎりで、勉強はもちろん必要ですが、ほぼできないことはないぐらいのカスタマイズ性の高さがあるそうです。江草は新しいことを学んでチャレンジするのは好きな性格でもあり、ワクワクします。
✅意外と安かった
「WordPress」を用いるにあたって課題となるのが、レンタルサーバーの料金です[11]「WordPress」自体は無料ですが、「WordPress」を置くための場所の賃料が有料なのです。
ですが、レンタルサーバーのキャンペーンに上手く乗れば、この料金は意外と安く、ほとんどはてなブログの課金料金と差がありませんでした。
同じ料金なら、どうせなら「WordPress」に挑みたい、と踏ん切りが付きました。
✅自分の城が欲しかった
レンタルサーバーを借りると自然とドメインも取ることになります。このブログのドメインも”exaray.blog”とシンプルで分かりやすいドメイン名を取得することができました。
「note」も「はてなブログ」も良いサービスですが、人様の管理しているサービスなのは間違いありません。今後、「note」がまた何か情報漏えいするかもしれませんし、「はてなブログ」のID管理で誤ってアカウントをBANされてしまうかもしれません。
自分でドメインを取って、自分で設置した「WordPress」なら自分で管理する自分の城です。もちろん自己責任ですのでちゃんとしないと危険もありますが、自分の城で自分らしく発信できることの喜びはかけがえがないように思いました。
結語
と、そんなわけで、私、江草令は「note」や「はてなブログ」から「WordPress」に移り住むことにいたしました。
「note」や「はてなブログ」も良いサービスだと思っています。ただ、何でもそうですが、使う人との相性があると感じます。
シンプルで簡便にしたい方は「note」を。
カスタマイズや機能が豊富なのがいい方は「はてなブログ」を。
自分の城を持って自由にやりたい方は「WordPress」を。
江草は自由にやってみたかったのです。
以上になります。何かの参考になればうれしいです。
脚注
↑1 | https://note.com/exaray |
---|---|
↑2 | https://doctors-doctor.hatenablog.com/ |
↑3 | https://note.com/info/n/nea1b96233fbf |
↑4 | 他サービスの「いいね!」にあたります |
↑5 | エクスポート問題についてはこの、ほりまさたけ氏の記事「noteからコンテンツをエクスポートする方法がないというリスク」が詳しいです。 |
↑6 | これが脚注です |
↑7 | 例えばオオスキトモコ氏の「なぜ私はnoteをやめたのか IPアドレス流出「3つの不誠実」」が分かりやすいです |
↑8 | このでょお氏の「【はてなブログ】サブアカウントについて|デメリットはPRO引き継ぎとアプリがダメ」の記事が分かりやすかったです |
↑9 | https://ja.wordpress.org/より |
↑10 | https://webst8.com/blog/wordpress-cms-share/ |
↑11 | 「WordPress」自体は無料ですが、「WordPress」を置くための場所の賃料が有料なのです |
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