> [!NOTE] 過去ブログ記事のアーカイブです 人の名前でできてる病名って多いじゃないですか。 江草は、あれがどうにも気に食わないんですよね。 たとえば、Erdheim-Chester病とか、Birt-Hogg-Dube症候群とか。 いやもう、これ、病名に何の領域のどんな症状の病気かの情報一切ないじゃないですか。 初めて聞いた時に、どんな病気か想像できる人は皆無ですよね。 もちろん、そこを頑張って学んで覚えておくのが医師としての正しいあり方なのでしょう。 でも、全く脈絡がない名前の羅列だけに、とてつもなく覚えにくいです。 日常でも人の名前覚えるのが苦手な方いませんか?江草はそうです。 なんで、全く知らない人の名前の羅列を覚えないといけないのか不思議に思います。 極めつけはDown症候群です。 Downというのはいわゆる一般単語の”down”からではなく、Down博士の名前から付けられてます。 人様のお名前にケチをつけるわけではないのですが、この”Down”という言葉が一般単語の”down”と思われがちなせいで、ネガティブなイメージが持たれやすい一因となってるとも聞きます。 人名のみで病名をつけることだけでも十分に問題があるのに、その上で余計なイメージの修飾が付属するのは、さすがにまずいでしょう。 wikipediaによると、Down博士自身が名付けたというよりは、WHOが認定した由緒正しい名前だそうですが、もうちょっとなんとかならなかったのかと思います。 POEMS症候群みたいな、症候の略語の頭文字の組み合わせの病名ならまだいいです。これも完全に忘れちゃうと、やっぱり意味不明なアルファベットの組み合わせでしかありませんが、なんとなくでも「確か略語だったな」と覚えていれば、イメージは湧きやすいので。 でも、Crow-Fukase症候群の方の呼び名はダメです。情報ゼロなので失格です。 ただでさえ覚えることが多くてオーバーフローしてる医療者のメモリーをわざわざ浪費させないでほしいです。 いや、たしかにそういう病名にせざるを得ない事情はあるのかもしれないですよ。 たとえば、病気の発見当初では、疾患概念が固まってないから症候を含んだ名前で呼びにくいとか。 でも、それでも人名の病名は初期の仮称にとどめておいて、症候が判明してきたところで、ビシッとその病気を適切に表す正式な病名を付けたらいいんじゃないでしょうか。 それに、いくら疾患概念の提唱の初期でも、全く症状も疾患領域も不明ってことはないように思います。高安動脈炎みたいに人名と症候名を組み合わせることだってできるわけですし、もっと工夫の余地はあるように思うのですけどね。 結局何が言いたいのかというと、「世の中病名が多すぎて覚えられないっす」という、放射線科医の愚痴でした。 ぐふう。 以上です。ご清読ありがとうございました。 #バックアップ/江草令ブログ/2021年/4月