2020年読んで良かった本【働き方部門】【医療のあり方部門】

本のイラスト読書

おはようこんにちはこんばんは、江草です。

今日は、とうとう今年も終わりが迫ってきたということで、今年読んだ本で良かったものを紹介していきます。

働き方部門

まずは「働き方」についての本です。

コロナ禍で激変した労働環境により、誰しもが働き方を考えさせられた2020年。

今後の働き方を考える上で、とても参考になった二冊をピックアップします。

ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論

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膨大な数の人間が、本当は必要ないと内心考えている業務の遂行に、その就業時間のすべてを費やしている。

「ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論」

まるで何者かが、私たちすべてを働かせ続けるためだけに、無意味な仕事を世の中にでっち上げているかのようなのだ。

「ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論」

  

まず江草的今年No.1で心に残った本はこちら「ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論」ですね。

本人自身でさえやりがいがなく無駄に思える仕事[1]これが案外、高学歴職かつ高待遇の場合もあるという矛盾も指摘されてて興味深いですが増えている現状に警鐘を鳴らした本作。世の中でも話題になりましたね。

現代の資本主義社会のビジネスが限界にきていることを示唆するもので万人必読レベルの書と思います。

邦訳が発売直後に著者のデヴィッド・グレーバー氏が早世されるという衝撃的なニュースがあり、このブルシットジョブ問題をどうするかについて私たちがバトンを引き受けなければという想いを抱かせます。

江草は個人的にnote記事も以前書いておりますので、ご参考に。

 

【書評】「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」~私たちは労働から解放され自由になれるのか~|江草 令|note
●膨大な数の人間が、本当は必要ないと内心考えている業務の遂行に、その就業時間のすべてを費やしている。 ●まるで何者かが、私たちすべてを働かせ続けるためだけに、無意味な仕事を世の中にでっち上げているかのようなのだ。 ●こうした状況によってもたらされる道徳的・精神的な被害は深刻なものだ。それは、私たちの集団的な魂を毀損して...

 

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

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次はこちら。「ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す」です。

現行の資本主義社会がとうとう成長が鈍化する「プラトー(高原)」に達したことを指摘し、これから私たちの社会はどう軌道修正していくべきかを考察した良書です。

こちらはほんとに最近の発売で、コロナ禍も踏まえた日本の視点からの書籍なので、同じく現行の働き方やビジネスの矛盾点を指摘した「ブルシットジョブ」よりもより身近に捉えることができるかもしれません。

こちらも先日簡単なレビューを書かせていただいてます。

 

山口周 著「ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す」速報レビュー
山口周氏著の「ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す」という書籍の速報的レビューです。 今や資本主義社会が成長の限界に達していることを指摘し、対策として「人間性原理」を取り込んだ経済という魅力的な提言をなさっており、価値ある一冊と感じます。

 

医療のあり方部門

今年2020年はコロナ禍という未曾有の危機から、否応なしに全世界の人類が医療の考え方との付き合い方に向き合わされた年でもありました。

そんな世相でしたので、以下の医療と生活のバランスを考える書籍3冊が印象深かったです。

ダイエット幻想

ダイエット幻想 (ちくまプリマー新書)
毎日の体重測定に疲れたあなたへ やせたい気持ちとうまく付き合うための文化人類学からの処方箋 やせたいと願う人はたくさんいる。でも、どうしてやせたいんだろう? 健康のため? 「かわいい」あるいは「かっこいい」と思われたい? おしゃれがしたい? 理由はいろいろあるけれど、それに人生、振り回されていませんか? 食べること、...

 

まずは「ダイエット幻想」です。

健康を害するほどのダイエット主義に警鐘を鳴らす本です。医学的効果の面からダイエットを批判しているわけではなく、ダイエットによる生き辛さを軽視してはいけないことを指摘されています。

「ダイエット幻想」の分析にとどまらず、「数値での管理主義」や「他者の視線に振り回される」といった現代日本社会が抱える生きにくさの問題も浮き彫りにしている良書です。

 

あなたは今おいしさを感じることができているでしょうか

「ダイエット幻想」

 

ダイエット幻想の強迫により、私たちの生活から何が失われているか、考えさせられる一文です。

「健康」から生活を守る

「健康」から生活をまもる 最新医学と12の迷信 | 大脇幸志郎 |本 | 通販 | Amazon
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次は「『健康』から生活を守る」です。

ユニークな経歴の反骨の医師である大脇幸志郎氏による現代医療の過度の健康管理主義思想に警鐘を鳴らす一冊。

普段健康のためにあちこちで推奨されていることの「やりすぎ」な点をつまびらかに指摘しています。しかもいわゆるデタラメな医療本と違い、最新医学のエビデンスも考慮した上での説得力のある議論は脱帽です。

江草も鋭い視点を持った先生が居るなと注目していたのですが、大脇先生は今年は特に活躍の場を広げられていた印象で、今後のさらなる発展が期待されますね。

 

健康禍 人間的医学の終焉と強制的健康主義の台頭

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健康ファシズムが友好的であることにこそ本当の危険が潜んでいる。独裁的な健康政策に向かっていく傾向に誰も気づかず誰も逆らわないままになるかもしれないのだ

健康禍

 

最後は「健康禍」です。

四半世紀前の著の少し古い本なのですが、これもさきほどの大脇先生が満を持して今年邦訳された意欲作です。さきほどの「『健康』から生活を守る」よりもさらに濃密に過激に健康主義を批判しています。

健康主義のパターナリズム的性格が、どうしても人々の自由と衝突してしまうジレンマがこれでもかと豊富なエピソードや語りをもって提示されています。

少し言い過ぎな部分もある書と思いますが、耳が痛くとも医療者なら誰しも目を背けてはいけない問題を指摘していると思います。

これも以前簡単にnoteで感想記事を書いています。

ペトル・シュクラバーネク著、大脇幸志郎訳「健康禍 人間的医学の終焉と強制的健康主義の台頭」感想|江草 令|note
不自由に至る道はたくさんある。そのひとつには"HEALTH FOR ALL"(すべての人に健康を)と書かれた道しるべが立っている。――冒頭より 健康ファシズムが「友好的」であることにこそ本当の危険が潜んでいる。独裁的な健康政策に向かっていく傾向に誰も気付かず、誰も逆らわないままになるかもしれないのだ。――p197よ...

 

続き【経済のあり方部門】【教育のあり方部門】の本は次回に

と、【働き方部門】の本と【医療のあり方部門】の本を紹介してきましたが、長くなってきたので、続きの【経済のあり方部門】【教育のあり方部門】の本の紹介は明日に回そうと思います。

良書が多くて大変ですね。

 

(2020/12/30 後編記事書きました)

2020年読んで良かった本【経済のあり方部門】【教育のあり方部門】
江草的に2020年に読んで良かった【経済のあり方部門】【教育のあり方部門】の書籍の紹介記事です。

 

以上です。ご清読ありがとうございました。

脚注

脚注
1 これが案外、高学歴職かつ高待遇の場合もあるという矛盾も指摘されてて興味深いです

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