> [!NOTE] 過去ブログ記事のアーカイブです これまで足掛け5ヶ月超、150日以上毎日ブログを書いてきたので(後日注:2021年5月当時)、さすがに執筆に慣れてきました。 いろいろ試行錯誤しているうちに最近行き着いた、効率的なブログの書き方を今日はご紹介します。 名付けて「転記法」です。 当初は、いきなりブログの投稿画面から書き始めていました。 「まずは質は問わず毎日書く」と決めていたので、この方が時間も抑えられるし、手っ取り早いと思ってたんですね。 でもこの方法には落とし穴がありました。 いきあたりばったりで執筆するということは、自分自身でも記事の「言いたいこと」や構造をはっきりとつかめてないのです。 そのため、途中で「記事の行き先」を考え込んで、はたとキーボードを打つ手が止まることがよく発生しました。 もちろん、書き始める前になんとなくのイメージぐらいは頭の中にあります。 でも、書いているうちに、そのあいまいなイメージが本当にあいまいだったことに気づきます。 それで執筆中に迷子になってしまうんです。 うろ覚えの目的地に「近くまで行けば分かるでしょ」と向かったら案の定迷子になるアレと同じです。 こういう経験を繰り返すうちに、迷子になるのを恐れて、こじんまりと無難にまとまる記事にもなりやすくなります。 でもって、何とか書き上がったとしても、話がとんでるところがあったり、言い回しが変なところが多発していて、結局、校正に一苦労することになります。 こうなるので、いきなりブログ投稿画面から書き始めるのはあまり上手いやり方ではないのです。 そこで、4つの形態を経てブログ記事を完成させていく方法、すなわち「転記法」を思いつきました。 これがなかなか具合が良いのです。 4つの形態とは「メモ」、「ノート」、「アウトライナー」、「ブログ」です。 順に作業のステップを見ていきましょう。 まず、メモを用いてフリーライティングをします。 なんとなくテーマや仮の題名を決めたら、思いつくままに書きなぐります。 文脈も無視、細かい言い回しも無視して、思考を自由に遊ばせるようにひたすら書きます。 書くのは手書きで、あえて「捨てる紙」に書くのがおすすめです。 メモ帳でもいいですし、不要な書類の裏でもいいでしょう。 ノートでフリーライティングを試したこともあるのですが、人って意外と「後に残る」と思うと、カッコつけて自由に書けないことに気づきました。 だからもう捨てるメモなんだと割り切って後先考えず好き勝手に書くのが良いのです。 そうすると言葉が意外と出続けるもんです。 ただただ書き続けましょう。 それに、適当に書くといっても、自然と頭の中で連想はしているので、なにかしらの小さな流れはいくつか生まれてくるものです。 「メモ」は、こうやって、テーマに関する自分の考えのエッセンスを一旦紙に散らばらせる目的のステップです。 メモに書き続けているうちに、なんとなく落ち着く時がきます。 そこで、次はノートのステップに移ります。 さきほど書いたメモをノートに転記していきます。これも手書きですね。 基本は上から順に転記していきますが、最終的な記事の流れにまとめていくことを、ここでは意識します。 ノートに転記しているうちに、こことここはつなげた方がいいなとか、これを前にもってきた方がいいなとか、この言い回しは変えたほうがいいなとか、この話は要らないなとか、そうした修正したい気持ちが自然と出てきます。 この方が良いと思うところがあれば、その都度修正しながらノートに写していってください。 そうしていると、もちろんまだ荒削りではありつつも、なんとなく大きな流れが整ってきます。 自然と「言いたいこと」や話の筋道が浮かび上がってきます。 ノートに写し終えたら、次は「アウトライナー」です。 ここからデジタルになります。 「アウトライナー」とは、その名の通りアウトラインを書くためのアプリで、いくつかアプリが存在しています。 江草は「Roam Research」を使ってますが、「Dynalist」も有名ですし、アプリは何でも良いと思います。 なんなら、Wordにもアウトラインモードが存在してます。 <iframe src='https://hatenablog.com/embed?url=https://roamresearch.com/' width='350px' frameborder='0' scrolling='no'></iframe> <iframe src='https://hatenablog.com/embed?url=https://dynalist.io/' width='350px' frameborder='0' scrolling='no'></iframe> さて、アウトライナーに転記していくと、書きなぐった文字よりも急に読みやすくなります。 もちろんもともと字が綺麗な方もいらっしゃるでしょうから、個人差はあります。 しかし画面上のフォントになった途端に見た目が変わり、自分の文字のクセが消え去るのは間違いないでしょう。 これが効果的なのです。 画面上の「デジタルな文字」で表示されると、アナログのノートでは気づかなかった、記事の構造の穴とか、言い回しが変なところ、説明が足りないところなどが次々と見えてきます。 これもその都度直していきます。 アウトライナーでは段落の移動や組み換えが容易なので、その機能を用いて記事の構成も整えていきます。 こうしてアウトライナー上で一通り転記し、見直した時には、ほぼほぼ記事の形になっているはずです。 そしてようやくブログの投稿画面に移ります。 アウトライナーからブログ投稿画面への転記はコピペでも良いですが、いずれにせよプレビュー画面で読み直してください。 アウトライナー上でほとんど形になったと言っても、実際のブログ上での見た目になるとまた気づくことも多いのです。 見出しや画像やリンクも入れないといけませんし、細かい言い回しのさらなる調整、補足説明、余分な箇所の削除など、やる作業は尽きません。 でも、これまでの作業で大筋はできているので、迷子になることを恐れることなく、記事の仕上げに集中できます。 これで完成です。 この「転記法」のよいところは、4つの形態を経て転記を繰り返しているうちに自然と「自分の言いたいこと」や構成や言い回しが整っていくことにあります。 ちょうど最近出た古賀史健氏の『取材・執筆・推敲』でも、形を変えて繰り返し推敲することを勧められていました。 [Amazon.co.jp: 取材・執筆・推敲――書く人の教科書 eBook : 古賀 史健: Kindleストア](https://amzn.to/36ZkwKg) 毎日のブログではさすがに丁寧に繰り返しの推敲をする時間を取るのは難しいので、転記を通して、記事の執筆と同時に推敲の作業も自然と行えるようにしちゃうのです。 これが非常に効率的なのです。 基本は転記していくだけなので、大きく手を止めることなく作業が進みます。 そのため、かえって記事の執筆にかける時間もストレスも減りました。 当面は江草もこの方法で続けてみるつもりです(この記事もこのやり方の通り書いてます)。 みなさんも是非お試しください。 以上です。ご清読ありがとうございました。 #バックアップ/江草令ブログ/2021年/5月