資本主義だけが勝ち残った社会。 その資本主義(能力主義を内包する)と親和性が高く、いわば同盟を組むことで有力な思想となったのがリベラリズム、フェミニズム、リバタリアニズム。人種や性別にかかわらず有能な者を採り上げるのが良いことからリベラリズムやフェミニズムが支持され、資本主義の武器「イノベーション」のかけがえのない源泉として自由を神格視するリバタリアニズムの素地が形成された。 資本主義社会自体の勝利を共に願っていた頃は、同盟関係が維持されていたが、資本主義の世界支配が確立されて時間が経ってくると、同盟関係に暗雲が立ち込めてきた。何事も権勢が強まると内紛が出てくるのが世の常。 資本主義同盟であってもあくまでそれぞれ少しずつ考え方が違う。多くの人は中庸であるが、それぞれの勢力で尖った人たちは現状に我慢ならなくなる。そして内戦Civil Warが始まる。 たとえば、いわゆる「オタク向けコンテンツ」とされる者の規制をめぐっての「表現の自由」(リベラリズム)と、「女性性のモノ化の拒否」(フェミニズム)の対立。また、能力主義に基づく格差社会も平等を重んじるリベラリズムと自由市場を好むリバタリアニズムの対立を引き起こしている。仕事への男女参画のいざこざはフェミニズムとリバタリアニズムの対立とも見れる。 そこに現れるのがコミュニズムの影。この内紛で資本主義同盟に愛想をつかせた人たちが今度はコミュニズムに流れる背景にもなってる。あくまでこれも天秤を動かすまでの暫定同盟として「コミュニズム=リベラリズム同盟」は意外と有力になりそうな。