映画「TENET」感想 〜固定観念を揺さぶられる快感〜

映画

おはようこんにちはこんばんは、江草です。

今日は、映画「TENET」を視聴したので、感想を書いてみます。

 

固定観念を揺さぶってくるとんでもない作品

クリストファー・ノーラン監督の「TENET(テネット)」

いわずもがなの話題の超大作で、皆さんご存知と思うので、細かい紹介は省きます。

ほんとは公開中から観たかったのですが、コロナ禍だったりなんだりで、映画館で観るのを躊躇しており、最近レンタル配信が始まってようやく観ることができました。

結論から言うと、ほんと固定観念を根底から揺さぶってくるとんでもない作品でした。

あんまりネタバレするつもりはないのですが、少しは何か触れてしまうかもしれないので、気にされる方は、このあたりで遠慮なく引き返してください。

 

 

時間逆行という非日常の体験

本作は「時間逆行」がテーマです。

タイムトラベルやタイムリープ、タイムループなど「時空を越えること」を扱った作品は今まで数あれど、「時間が逆行する人や物」が「時間が順行する人や物」と同時に動く話は初めてでした。

前向きに進んでる人と、後ろ向きに進んでる人同士が戦ったり、物を奪い合ったり、駆け引きをし合うんです。全く何言ってるかわからないと思いますが、見ててもどうなってんのかわかりませんからご安心ください。

でも、この本作のわけわかんなさが最高なんです。

私たちの時間感覚は当たり前ではない

「時間が過去から未来へと一方向にしか動かないのは当たり前か」という疑問自体は、意外とポピュラーで、物理や哲学の話題では時々耳にします。

どうも物理法則からは「時間が一方向に進む必然性」はないらしいです。この辺は、江草も不案内なところなので深追いはできませんが、私たちが普段当たり前と思ってることが根拠があまりないただの固定観念でしかないという事実は面白いですよね。

実際、時代によって、文化によって、時間感覚というのは全然違うらしいので、現代日本人の私たちの時間感覚だけが時間の感じ方の絶対解とは限らないんですよね。

たとえば人々に共通の時計がない時代には時間を分割するという発想がなかったので、現代では当たり前の「労働者の時間を買う」時間給という考え方が古代にはなかったとか[1]デヴィッド・グルーバー著「ブルシット・ジョブ」より得た知見です

百聞は一見にしかず

そんな「私たちの時間の当たり前」が当たり前じゃなくなった世界を体感させてくれる、映画というメディアのすごさです。

言葉でつべこべ言われるより、まさに百聞は一見にしかず。

「いったいどうやって撮ってるのか」と唖然とするすごいシーンの数々が襲いかかります。

当然ながら、あまりに未知すぎる映像体験に、視聴者は固定観念をぐらんぐらんに揺さぶられて、認知のジェットコースター状態。

でも、これがほんと快感なんですよね。

江草自身はなんとかストーリーはついていけましたが、時系列が複雑に絡み合う本作は[2]逆行までありますからね、同クリストファー・ノーラン監督の名作「インセプション」を超えたややこしさですね。こりゃ、視聴後は誰しもパンチドランカーになってる予感がします。

いかに私達が普段、固定された見方で世界を観察しているかわかりしめる意味でほんとすごい作品でした。

「良質な体験」の持つパワーを痛感した

ついつい江草は普段理屈っぽくなりがちなので、言葉による説明を凌駕する「良質な体験」の持つパワーを、今後もこうした力作に出会うことでちょくちょく感じとりたいなと、気持ちをリフレッシュすることができました[3]最近では最近話題のゲームの「Outer Wilds」の量子体験なんかもすごく「良質な体験」でした

「TENET」オススメです。

 

以上です。ご清読ありがとうございました。

脚注

脚注
1 デヴィッド・グルーバー著「ブルシット・ジョブ」より得た知見です
2 逆行までありますからね
3 最近では最近話題のゲームの「Outer Wilds」の量子体験なんかもすごく「良質な体験」でした

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